« ネタグッズ | Main | ろってんまいやーさん »

August 22, 2005

10ゲーム

10ゲーム(テン・ゲーム)というゲームをご存じでしょうか?
車のナンバープレートの大きな数字4つを個別の整数とみなし、それらの数字を四則計算を使って解が10になるようにする、というゲームです。正式名称が何なのか、はたまたこれをゲームと呼べるのかはともかく、私の仲間内では「10ゲーム」と呼ばれていて、例えばナンバープレートの4桁の数字が『12-34』であれば、

1+2+3+4=10

となります。または、

3*4-2*1=10

でも構いません。当然、数字の組み合わせによっては『10』という解が得られない場合もありますし、『10』という解を得るための計算過程が複数ある場合もあります。何人かでこのゲームをやる時には計算の速さを競うわけですが、同時に計算過程の複雑さを競うゲームでもあります。4つの整数しかない四則計算に単純も複雑も無いだろうとは思いますが、一応私の仲間内では加減計算のみで解を得るより、計算過程に乗算や除算が含まれる方がより複雑で『美しい』計算であるとされています。上の解の例で言えば下の計算例の方がより複雑である、という事になります。他にも例をあげれば数字の組み合わせが『46-75』であれば、

4+5+7-6=10

より、

5*6/(7-4)=10

の方が美しい計算だという事になります。まぁ、『美しい』の基準は人によって様々ですし、そもそも四則計算に美を求めるのもアレなのですが、このゲームを始めた仲間というのが学生の頃の友人でどちらかというと数学馬鹿な人間だったので複数ある計算過程の優劣を決めるために『美』などという価値基準を持ち出した次第です。

さて、それはともかく、このゲームをやっていると時々思い出す事があります。
以前、新聞紙上の学習塾の広告で見たと思うのですが、イギリスのとある郡の小学校では算数の加算減算を教える時に、

3+2=?

のような形ではなく、

?+?=5

のような形で問題を出す、というモノでした。これは、与えられた計算式に対する唯一の解を答えさせるのではなく、解を得るために考えられる数字の組み合わせを答えさせるという教え方であると思います。件の学習塾の広告は、このイギリスの小学校の例に倣って児童生徒に自由な発想を持つような学習を行っています、という趣旨のモノであったように記憶しています。

数学の嫌いな方に『何故数学が嫌いなのか?』という質問をすると、『答えが一つしかないのが面白くない』と答える方がいます。確かに算数、数学という学問には与えられた計算式、決められた条件から一つの解を導き出す問題が多いという傾向はあります。しかしながら、単純化された例ではありますが、上のイギリスの小学校の算数の教え方や10ゲームのように唯一の解を得るための計算過程は複数ある事も数多く、解を導き出す事自体よりもその計算過程を思いつく発想を学ぶ事こそが算数、数学という学問の役割ではないかと思いますし、その過程の整理された単純さや複雑さに『美』を見いだしたりするのも、あながち間違いではないのかなぁなどと思ったりする次第です。

かといって、電磁界解析において媒質の不均質を取り扱うためにマクスウェルの微分方程式を有限差分方程式で近似し差分方程式を時間領域で逐次解析するFDTD法に美を感じたりするのもちょっとアレですが(笑


*この文章は2003年の8月頃、本家サイトの日記に掲載した文章を元にしていますが、少し思うところがあったので若干の加筆訂正を加えてこちらに掲載してみました。

|

« ネタグッズ | Main | ろってんまいやーさん »

Comments

Yeeのアルゴリズムキター!

数学ではよく「エレガントな」解と言ってましたねぇ。よりシンプルで「力任せではない」のが良しとされるような。

その点FDTDは力任せの極致(ry

Posted by: take | August 22, 2005 11:18 PM

10ゲームはJRの切符でよくやってました.
上のほうに4桁の数字があるんですよね…

Posted by: paihu | August 27, 2005 09:31 PM

「うわちょとまておまえそれほんとにただしいんかいいんかそれでこたえだしちゃてだいじょぶなのかよこら」みたいな力任せの計算も好きですけどね(笑)。その方が実用的な事もあるし。

10ゲームはやってて飽きてくると求める解を「7」とか「13」にするエキスパートモードもあったりします(笑

Posted by: UT | August 28, 2005 12:26 AM

いやまさに、学部生でも自作できるシンプルさと、「なんでも解ける」パワフルさが素晴らしいですね。私も自作/市販の両方を使ってます>FDTD


10ゲームは演算子を拡張して
 3^(4-2)+1=10
とかやったり。

その昔、海軍大学校の入試問題で3を3個使って0から10まで作れという問題があったそうです。
 3!-3-3 = 0
 3^(3-3)= 1
……と言ったぐあいに。2から10まではよろしければチャレンジしてみてください。

Posted by: take | August 29, 2005 09:03 PM

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 10ゲーム:

« ネタグッズ | Main | ろってんまいやーさん »