着メロ遍歴(前編)
私が最初にケータイを買ったのは2000年の夏頃で、最初の機種はNTTDoCoMoのD207、カメラはもちろんi-mode端末としての機能すらなく、携帯電話端末としての機能のみしか持たない素朴なシロモノだった。
着信音の編集機能もあることはあったが、ピロピロした電子音が鳴るのみで最近のケータイのように「着メロを楽しむ」レベルのシロモノではなかったし、当時はケータイにi-mode機能そのものがまだ実装される前だったので、インターネットを介した着メロ配信というサービスもなかった。しかし「個性的な自分のケータイ」を演出する手段の一つとして着メロを編集、変更している人は多く、いわゆる「着メロ本」を買ってピコピコと親指タイプをした覚えのある方も多いだろう。
それらは当然、当時の最新のヒット曲を着メロ化したモノが多かったわけだが、私がケータイの着信音に求めた条件は、
・メロディーラインが明快で誰が聞いても何の曲か分かること
・他の人が同じ着信音を使っている可能性が極力低く、鳴っているのが自分のケータイである事が一耳で(?)分かる曲である事
の2点であり、流行りの曲を使うのは後者の条件を充たさず、また、邦楽のポップ/ロックの楽曲の着メロは、音符を切った人のセンスにもよるのだが、ボーカル部分のメロディーを歌詞に合わせて音符を切ってあるために、不要な8分音符や16分音符の連なりが本来のメロディーの美しさを損ねているモノが多く前者の条件を充たさないため、打ち込んではみたものの使わない場合がほとんどだった。
そこで、私がD207に自ら打ち込んで作った最初の着メロは、ディープ・パープルの「Smoke On The Water」だった。
これは「着メロ本」を見て打ち込んだのではなく、イントロの「♪でっでっでー、でっでっででー、でっでっでーでっでー」というギターのフレーズを耳コピしてキー入力の順番を書き起こして打ち込んだ音を鳴らしてみて音がずれてるように聞こえたらまた微調整という手間を繰り返して作ったシロモノで、我ながら良い出来だったとは思うが耳コピな上にケータイの電子音で聴き映えがするように音符を切り直してあったので他の人が聞いたときにちゃんと「Smoke On The Water」に聞こえるかなぁと思ってたら、同僚のS崎は私のD207が鳴ってるのを聞いて、
「東京パフォーマンスドールの曲ですね」
とか自信満々にぬかしやがりなさいましたよ?
どうしてそんな微妙なカバーを知ってて元歌を知らんのかなぁ。CDのライナーノーツにもディープ・パープルのカバーだって書いてあったような気がするんだがそれはともかく、自分の打ち込んだ「Smoke On The Water」の出来が思いの外良かったのと、着メロの打ち込みは面倒だという事に気付いたため、結局D207が壊れるまで「Smoke On The Water」を使い続けた。
後編に続く。
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